秋葉原とメイドとMTGの意外な関係
2009年4月1日 ゲーム今や秋葉原だけでなく全国に定着した感のある「メイド喫茶」だが、あなたは果たして「メイド」と「MTG」の知られていない関係性をご存知だろうか?
【注意】メイド喫茶は大まかにコスプレ喫茶のジャンルに区分されるようだが、ここではコスプレのカテゴリとは独立した「メイド」のみに焦点を当て話を進める。
まずは問いたい。
『なぜ、秋葉原でメイドが受け入れられたのか?』
この問いへの解答における定石の一つとして挙げられているのは、BRACK PACAGEより1996年2月28日に発売された「殻の中の小鳥」のヒットによる、というものだ。
上記作品はいわゆる18禁であるところの「エロゲー」であるのだが、この作品が後世に与えた影響は計り知れない。
それは作品最大の特徴である、業界初のヒロインが「メイドのみ」に集約されるわけだが、当然ながらその点だけでは当時のヒットには繋がらない。作品の持つ、優れた「ゲーム性」が評価されたからだ。
「殻の中の小鳥」は従来のコマンド選択式の調教ゲームとは一線を画したゲームシステムが採用されており、作品世界とメイドとの見事なマッチングを生み出していた。
そして作品のヒットにより第ニ作である「雛鳥の囀り」(STUDIO B-ROOMより1997年3月28日発売)が発表され、同様にヒット。更には当時としては珍しいファンディスク「小鳥の羽飾り」のリリースまで展開された。追記するなら当時原作が相当ヒットしなければ採用されないOVA化までされたという点からも当時のヒットぶりが伺えるだろう。
これらにより、秋葉原において「メイド」の下地が出来上がったわけである。
勿論「まほろ」等のメイドがフィーチャーされた作品の影響もあるだろうが、それらも原点を辿れば「殻の中の小鳥」へと繋がっていくだろう。兎にも角にもエポックメイキングな作品であったわけだ。
さて、それでは肝心の表題である「メイド」と「MTG」の関係だが、これについては「殻の中の小鳥」の企画・シナリオ担当である栄夢氏のコメントを以って回答とさせて頂く。
以下引用
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ある日、突然、一通のメールが舞い込んでこんな話を伝えてくれた。
「次のゲームでのシナリオをやってみませんか?」
当時、雑誌のライターで細々と食べていた自分にとって、華やかな話しであった。
ただ、旨い話などそうそうあるわけでもなく、半年の準備を経て、いざ製作に入る段階になると「調教ゲームを作れ」と命じられたのである。
(中略)
元々、SFやファンタジーしか書いた事の無い自分が真っ先に考えたのは、「コスチューム」と「キャラゲー」にする事。要は世界観云々を語る前に象徴的な大きな共通事項=コスチュームを設定してしまうのである。(ただし、物語はかなり薄くなる。)それと、話云々を作り込む時間が無いので、女性キャラに総てを依存した育成ゲームを作ることにする。
(中略)
次にシステムであるが、前々から育成においてのコマンド選択という概念が間違っていると思っていたので、何か変わったシステムを考えようとした。(とにかく、クイズゲームもどきだけは作りたくなかった。)
で、安易にカードを選択。同時に当時一番はやっていた「MTG」を勉強し、デッキの概念を組み込む。
RPGの戦闘を逆の発想で捕らえ、いろいろな部分に「3すくみ」を組み込み、さらにできるだけシステムをシンプルにしようと心がけた。
(中略)
今、思い返すと偶然の要素が多く、メイドが製作中はあれだけ流行るとは思っていなかったのだし、(WIN版が)いまだに売れているというのはありがたい話でもある。
(画集「鳥篭」1998年8月発行より引用)
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おわかりだろうか?
「殻の中の小鳥」のヒットにおける最大の要因となったゲーム部分にMTGが多大な影響を与え、ひいては当作品のヒットが国内における今日のメイド萌えの下地となったわけである。読者諸氏はぜひとも秋葉原に繰り出した際にはメイド喫茶にてクロックパーミッションの有用性についてメイドさんに解説してみてはいかがだろうか。
参考サイト
http://www.raidway.ne.jp/~b_room/
【注意】メイド喫茶は大まかにコスプレ喫茶のジャンルに区分されるようだが、ここではコスプレのカテゴリとは独立した「メイド」のみに焦点を当て話を進める。
まずは問いたい。
『なぜ、秋葉原でメイドが受け入れられたのか?』
この問いへの解答における定石の一つとして挙げられているのは、BRACK PACAGEより1996年2月28日に発売された「殻の中の小鳥」のヒットによる、というものだ。
上記作品はいわゆる18禁であるところの「エロゲー」であるのだが、この作品が後世に与えた影響は計り知れない。
それは作品最大の特徴である、業界初のヒロインが「メイドのみ」に集約されるわけだが、当然ながらその点だけでは当時のヒットには繋がらない。作品の持つ、優れた「ゲーム性」が評価されたからだ。
「殻の中の小鳥」は従来のコマンド選択式の調教ゲームとは一線を画したゲームシステムが採用されており、作品世界とメイドとの見事なマッチングを生み出していた。
そして作品のヒットにより第ニ作である「雛鳥の囀り」(STUDIO B-ROOMより1997年3月28日発売)が発表され、同様にヒット。更には当時としては珍しいファンディスク「小鳥の羽飾り」のリリースまで展開された。追記するなら当時原作が相当ヒットしなければ採用されないOVA化までされたという点からも当時のヒットぶりが伺えるだろう。
これらにより、秋葉原において「メイド」の下地が出来上がったわけである。
勿論「まほろ」等のメイドがフィーチャーされた作品の影響もあるだろうが、それらも原点を辿れば「殻の中の小鳥」へと繋がっていくだろう。兎にも角にもエポックメイキングな作品であったわけだ。
さて、それでは肝心の表題である「メイド」と「MTG」の関係だが、これについては「殻の中の小鳥」の企画・シナリオ担当である栄夢氏のコメントを以って回答とさせて頂く。
以下引用
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ある日、突然、一通のメールが舞い込んでこんな話を伝えてくれた。
「次のゲームでのシナリオをやってみませんか?」
当時、雑誌のライターで細々と食べていた自分にとって、華やかな話しであった。
ただ、旨い話などそうそうあるわけでもなく、半年の準備を経て、いざ製作に入る段階になると「調教ゲームを作れ」と命じられたのである。
(中略)
元々、SFやファンタジーしか書いた事の無い自分が真っ先に考えたのは、「コスチューム」と「キャラゲー」にする事。要は世界観云々を語る前に象徴的な大きな共通事項=コスチュームを設定してしまうのである。(ただし、物語はかなり薄くなる。)それと、話云々を作り込む時間が無いので、女性キャラに総てを依存した育成ゲームを作ることにする。
(中略)
次にシステムであるが、前々から育成においてのコマンド選択という概念が間違っていると思っていたので、何か変わったシステムを考えようとした。(とにかく、クイズゲームもどきだけは作りたくなかった。)
で、安易にカードを選択。同時に当時一番はやっていた「MTG」を勉強し、デッキの概念を組み込む。
RPGの戦闘を逆の発想で捕らえ、いろいろな部分に「3すくみ」を組み込み、さらにできるだけシステムをシンプルにしようと心がけた。
(中略)
今、思い返すと偶然の要素が多く、メイドが製作中はあれだけ流行るとは思っていなかったのだし、(WIN版が)いまだに売れているというのはありがたい話でもある。
(画集「鳥篭」1998年8月発行より引用)
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おわかりだろうか?
「殻の中の小鳥」のヒットにおける最大の要因となったゲーム部分にMTGが多大な影響を与え、ひいては当作品のヒットが国内における今日のメイド萌えの下地となったわけである。読者諸氏はぜひとも秋葉原に繰り出した際にはメイド喫茶にてクロックパーミッションの有用性についてメイドさんに解説してみてはいかがだろうか。
参考サイト
http://www.raidway.ne.jp/~b_room/
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